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ディケンジアンのminのレビュー・感想・評価

ディケンジアン(2015年製作のドラマ)
4.0
ヴィクトリア朝時代の英作家チャールズ・ディケンズ作品の登場人物たちの夢の共演により人間の仄暗い心理と真理を描くディープなドラマ。シーズン20話。シーズン1で打ち切り的な噂をどこかで見たけれど、それが残念と感じるわけでもなく。

いやはや、ほんとBBCの底力ときたらもう。セットも衣装も小道具も半端なく、これだけの役者が揃う英国が凄い。

「クリスマス・キャロル」「オリバー・ツイスト」「大いなる遺産」「荒涼館」(iPhoneよ、一発変換してくれ)等の物語の世界の濃ゆい人物たちすべての個性の粒がそれぞれ立っていてまず驚き。

なのだけれども、20話のうち10話ぐらいまで辿り着かないと面白くならないのが難点で、4〜5話ぐらいで挫折しそうに。しかも、シーズンを見終えた後にもう一回見ようという感じもなければ先に書いたようにシーズン2が無くても「くわーっ!気になるーーー!」という感じでもなく。でも面白い。同じ過ちを何度も繰り返しては抜け出せない人間たちの哀れさが。

個人的にはシーズン2があったら、オノリアの赤ちゃんはアメリアが養子にしそうな気がしました。

秘密のない家族なんてどこにもないのよ。金持ちだろうが貧乏人だろうが、多かれ少なかれ秘密をかかえ妬みながら嫉みながら後ろ暗い部分を持ち、時に笑い時に傷つきながら生きていて、それは人間であれば万国共通なのよ。

最近、人は人、自分は自分と改めて心に留めておこうという機会があったのだけれど、そんなタイミングでこんなドラマに出会うかねぇなんてしみじみしてしまいました。

妬み嫉みで悶々とする時間も自分の楽しみに没頭する時間も同じ時間だし、最終的に解決するのは自分しかいないし、本当に優しい人の素地は自身に起こった悲しい経験だと思うし(そういう経験がないと真の優しさはないと思う)、明日以降も人生色々起こるだろうけれど人間を頑張ろう…なーんて漠然と感じる20話試聴後でした。
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