ぴんゆか

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウスのぴんゆかのレビュー・感想・評価

4.0
ホラー、ミステリー要素5、ファミリーヒストリー要素5という感じの作品。

前半は、何らかの怪奇に対峙している状況が時系列関係なく映し出されていることを除けばごく普通のホラー。

ところが中盤前あたりの怒涛の展開はパズルのピースがはまっていくような小気味良さがあり、また仕掛けの凝り具合にもうならされた。
末の妹が見ていたものが判明するシーンは誰もが予想しなかった今作1番の見どころであり、ただのホラーとは一線を画す部分である。

思わず見逃してしまうくらいの短いシーンに幾度も仕掛けや伏線が映り込んでいる点も見る側を飽きさせない工夫に富んでいて、思わず何度も目を凝らした。

また、一つのシーンをとっても、様々な観点からの捉え方を折り込むなど、登場人物が多いからこその魅力もうまく活かせている。

他のレビューにもあるように、残念な点は広げた風呂敷を畳みきれずに終わっていること。
そして事実とそぐわず、さも幸福なファミリードラマであるかのような安易な締めくくりにとどまっている点。

さらに言うと、中盤以降の家族内抗争が長すぎる。それまでの勢いに水を差す感じが否めなく、時間稼ぎとも感じてしまった。

しかしながら全体としては引き込まれる構成で、登場人物達の性格や弱みが年月を経ても変化していない描写、そして時としてそれがあだとなり、家を通して意図せず"運命"を辿っていくさまは考えさせられた。
ぴんゆか

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