KHinoji

炎上弁護人のKHinojiのレビュー・感想・評価

炎上弁護人(2018年製作のドラマ)
3.8
NHK TVで先日偶然途中から見て、面白くて最後まで見た。その後再放送があったので最初から再見しました。やはり面白かったです。

題材はSNS、SNSへの依存症とSNSでの風評被害。ネット社会なんてものはしょーもないと思ってナメている女弁護士(真木よう子)が、SNSに依存することでしか生きられなくなってしまった主婦(仲里依紗)への風評被害による事件の弁護を通して、ネット社会の実情をより深く理解していくというストーリー。
ステレオタイプのものの見方で、ネット社会をニセモノとバカにしていた女弁護士だが、ネットも実在する社会の一部だということをやがて理解し、ネットの先にあるのはやはりリアルな人間でしかないのだと考えを改めていく。そうすることでやっと事件の解決へとたどり着くというストーリーになっています。

このTVドラマの見所は、真木よう子と仲里依紗でしょう。カッコウ良い役のイメージが多い仲里依紗ですが、本作ではSNS依存症とも言える状況に落ち入ってしまうなさけない女性を演じていて旨かったです。真木よう子も役的には格好は良いのですが、細かいところでダサダサな女性を演じていてなかなか笑える役でした。
この2人の女性が、弁護を通じてお互いに親密になっていく姿が描かれています。

ネット炎上の愚かさをバカにするだけのストーリーであればたいそいて珍しくもないし面白くも無いかったと思いますが、本作はむしろここまで広まったネット社会の価値を考えるストーリーとなっています。いかにも視聴率優先の民法ではなくて、NHKらしいドラマつくりといえましょう。

あと脇役で、岩田剛典(一見チャラいネットジャーナリスト、だが…)、片桐はいり、宇崎竜童(主人公の父親)などもいい味だしてます。

(2018/12 NHK地上波にて)
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