たま

振り返れば奴がいるのたまのレビュー・感想・評価

振り返れば奴がいる(1993年製作のドラマ)
3.8
病人の生存確定演出みたいな息の吹き返しの数がパチンコ並みなんだけど、それが成功する可能性もちゃんとパチンコ並み。で、織田裕二(悪人)と石黒賢(善人)の対決構図が、単なる白と黒に収まらず、黒と黒になり、石黒賢(名前も黒)の内面が白から黒になっていくと同時に、彼の顔も干からびたように白くなっていって石黒賢が最も色白でカメラに写っていた映像作品で、三谷は石黒賢の中にある「黒」の要素を内面も外面も白色化させる遊びをしている。バラエティでもよくある松崎しげるの色黒さと雪を掛け合わせたりといった明暗の遊びでもあるし、レンブラントの例などは陳腐かもだけど、そうしたモチベーションの元(三谷幸喜がたいめいけんの社長の歯に対する好意的発言があったら🎯だが)に出来上がっている(『白い巨塔』や『ブラックジャック』へのオマージュ的要素は表層的なものである)。そして、この2人を対立させるのは、彼らが「歯」の俳優であるからに思える。口元を隠した織田裕二や石黒賢は多分魅力が半減以下になるはずで、彼らは歯という共通要素により根本が結合されているため、彼らの内的対立が際立つ。

そして、鹿賀丈史と渡部建の顔は(特に笑うと)超似てる。
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