NETFLXでデヴィッドフィンチャーが作ったドラマ「MINDHUNTER」は、アメリカの70年代を震撼させた実際の猟奇殺人鬼たちを役者が演じ、FBIの犯罪心理学調査の礎となった研究の黎明期が描かれています。従来の犯罪ドラマを覆す、とんでもないアプローチで、本当に痺れます。
人物の白黒ではなくグレーを見る / cause and reactionは私の興味の大きな部分を常に占めてきました。死刑を求刑されている受刑者と面会を繰り返し善悪の目線だけではなく人間としてつぶさに内面を観察しようとする様々なルポを読み漁り、メディアで伝えられる人物像の向こう側を知ろうと心がけてきました。全てが性悪説で片付けられてきた70年代に、犯人が犯罪を起こすに至る心理を探るというのは、圧倒的に新しい操作方法だっただけでなく、明確な理由の見つけられない犯罪で氾濫する現代にもするどく突き刺さる普遍的なテーマだと思います。
