猫エッグ

ケイゾクの猫エッグのレビュー・感想・評価

ケイゾク(1999年製作のドラマ)
4.8
90年代のドラマなのにオープニング映像や演出が今でも斬新に感じるし、やや陰鬱で救いのない雰囲気がとても好き。名作って色褪せないんだなぁ・・・。
おふざけは少なめで、個人的には堤作品の中で一番好きな作品になりました。

各話のミステリーも面白いし、何より柴田と真山の距離感が本当に良い。恋愛関係ではなく、兄妹というか(おそらく真山は亡き妹を柴田に重ねている)。それで最終回での二人のあの場面だから、胸が苦しくなった・・・。
渡部篤郎かっこよすぎ。言葉では語りきれない良さがあるから、是非見て!しか言えない。「うるせぇんだよ生ゴミ!」も含めてかっこいい。

最終回はいろいろ衝撃でした。結局「え!? この人って死んだの!?」で終わる(そして映画予告が流れて「え? 生きてるの? これは朝倉との対決より前の話?」と混乱)。
何だろう、最近は80、90年代の作品をよく見ていて、昔は多くを語らず、受け手の想像力に委ねる作品が多いように思います。
最近は、細かく説明がされる作品が多いように感じるし、受け手自身も作品の全てを何とか納得しようとしたり(私もそんな一人だけど)、でも、言語化できない物語をそのまま受け取って、その余韻に浸るような体験も楽しいなと思ったりします。

企画協力は蒔田光治。ドラマ「パズル」や「富豪刑事」などでも脚本を担当していて、ミステリーだけでなくキャラクターも好きな脚本家。今作の雰囲気にも少し滲み出ていた気がします。
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