ジャロピー

マンダロリアン シーズン3のジャロピーのネタバレレビュー・内容・結末

マンダロリアン シーズン3(2023年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

※長文です

SWのサイドストーリー物としては最も成功している実写ドラマシリーズのS3。
S2でお別れした主人公二人がS3で何故か一緒にいる。この経緯はドラマ「ブック・オブ・ボバ・フェット」で描かれているので、S3を見る前に予習が必要だ。

■良かった点
・まさに実写SWの世界を現代に体現している。
子供は広大な銀河SF活劇にワクワクし、大人は童心に帰る。家族で楽しめる最高のエンタメ作品。
ツッコミどころが全くないとは言わないけど、他のSWスピンオフシリーズの中で一番気に入っている。このシリーズをクローンウォーズからの流れに結びつけて考えると、実はMCUにも負けないユニバースを長期に渡って築いていたと思う。
要するに、デイブ・フィローニがヤバすぎる。

・テンポがいい。
デイブ・フィローニが1話30分というアニメ畑でキャリアを積んでいただけあって、展開のテンポが良い。にも関わらず各話に必ずスピーディなアクションと気の利いたユーモアもある。

・グローグーの可愛さ
とにかくグローグーがいれば全て許される感がすごい。オビワンの特殊能力「ブラ=サガリ」の如く「アザ=トサ」とでも名付けよう。

・あのシークエルトリロジーさえも救おうとしている。
旧作品ファンに対してリアル「オーダー66」を叩きつけたシークエルトリロジーの存在にも敬意を払い、何とか旧作品群との整合性をもたせようとするクリエイター達の姿勢は、もう尊敬しかない。
ファン心理は複雑だろうが。

■気になった点
・ディンの物語ではない。
S3での個人的な最大の懸念点は、ドラマ「ボバ・フェット」でディンとグローグーをあっさり再会させたことだった。S3はどうするの?と不安視してたら、S3の主役はボカターンだった。

・帝国残党がレジスタンスに?
新共和国体制となり、帝国残党がレジスタンスのような立ち位置になっている。これは意図的(やや風刺的)なのかな?
ドラマ「アンドー」でもレジスタンスのブラックぶりが描かれているが、旧三部作でのルークの闘いは結局は親子喧嘩に着地し、銀河の支配闘争とは無関係ということに…。

・グローグーの人形(パペット)感
動けば動くほど人形に見える。CGにする必要はないが、工夫が欲しかったところかな。

・マンダロリアン大集合!でも、あの人がいない。
何故かボバがいない。最終話でフェネックと一緒に助太刀に来ると思ったけどなー。

・スパイ(複数形)
いろいろ噂はあったが、ギデオンの女部下の他には新共和国のオジサンにマンダロリアンの場所を教えたR5でした、ということで良い?
それとも何か伏線が隠れてるのかな?

・英雄パズヴィズラ
彼を弔うシーンがあっても良かったのでは?

・マンダロリアンも徒弟制?
「こいつ、俺の息子」と知り合いに吹聴するディンが愛おしい。
が、マンダロリアンも徒弟制なんだね。SWの師弟関係好きすぎ問題。

・モフギデオン
ラスト2話での登場。メインヴィランとしてもうちょっと出番があったらなあ。

・「マンダロリアン」はどこに向かっていく?
S1は、孤独で孤高の賞金稼ぎのマンダロリアン、ディン・ジャリンが、小さな生き物グローグーとの交流を通して人間的に成長する物語。
S2は、グローグーが特別な存在であることを知ったディンが、自身に目覚めた父性と葛藤しながらも、グローグーが帰るべき場所に届けるまでを描いた物語。
…さて、S3は?
マンダロリアンの掟を破ったディンの贖罪の旅…は冒頭2話で早々に終了。ディンの個人的な物語からボカターンによるマンダロア再興物語にスイッチした…かと思ったら、クローン研究者の話、蘇り計画やギデオンクローンなど、シークエルへのツナギを割と真面目にやろうとしている。さながらライズ・オブ・ファースト・オーダーだ。
シークエルへの着地というゴールがあるならばハッピーエンドにはならないと思うが、マンダロリアンはどこに向かっているのだろうか。
S4と最終章の映画が準備されているが、少なくともグローグーを出し続けるためだけのシリーズにはならないでほしい。
ジャロピー

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