ししまる

サバイバー シーズン1のししまるのレビュー・感想・評価

サバイバー シーズン1(2016年製作のドラマ)
4.6
◼️概要
2016~17年に米ABCで放送された政治サスペンス。民間人出身の住宅都市開発長官カークマンは、民主党のリッチモンド大統領と折り合いが悪く「指定生存者」として一般教書演説を離れた場所で見守る。しかし、演説中に議事堂が爆破され1000人以上が死亡。大統領以下、閣僚もほぼ全員が死亡し、カークマンが大統領職を継承する。全21話。
◼️キャスト
カークマン:キーファー・サザーランド、共和党議員の指定生存者:ヴァージニア・マドセン、FBI捜査官:マギー・Q
◼️感想
爆発テロの陰謀解明をメインストーリーに、内政、外交で苦戦する新政権を描く。よくあるパターンではあるが、敵を倒してもまた新しい敵、一難去ってまた一難。「なんてことだ!」(カークマン)の連続で、イッキ見したくなる典型的なポリティカルサスペンス。米国を狙うテロという意味では、大統領目線による「24」とも言える。
歴史上の米大統領が危機に直面した際のエピソードや憲法解釈なども興味深い。ジプチに近い架空の国で起きる反政府軍の反乱はスーダンを想起させるし、ロシアによる侵攻前のウクライナ問題に言及するシーンもある。たった一人で捜査?とか突っ込みどころもたくさんあるが、細かいところを気にしなければ。
別のドラマシリーズでメインを務めたロブ・モロー、ピーター・アウターブリッジら米テレビドラマで馴染みの俳優が脇役で数多く登場したり、24で大統領を演じたジェフ・ピアソンが元大統領として出演したりするなど、キャストも魅力ある布陣。
カークマン大統領はもともと建築の専門家という設定だが、演じるサザーランドはジャック・バウアー捜査官のイメージが強すぎて大統領に見えないと賛否両論を呼んだ。確かにバウアーにしか見えないけど、まあこれもありかと。
フルシーズンあるから正味15時間余り。最終話はフィナーレっぽくなるけど、ラストは「なんてことだ!」(カークマン)でシーズン2へ。
サバイバーって邦題のセンスのなさ。それが原因で見るの遅れた。
◼️メモ
視聴率低下によりABCはシーズン2で打ち切ったが、Netflixで復活。しかしシーズン3全10話で再び打ち切りとなった。2019年に韓国版リメイク「サバイバー:60日間の大統領」が放送された。
原題は「Designated Survivor」(指定生存者)。一般教書演説や大統領就任式などの際、大統領継承権保持者の一人を議会議事堂から離れた場所に待機させる緊急事態対策としての「Designated Survivor」制度に由来する。閣僚1人以上が欠席し、会場から離れて待機する。核攻撃のリスクがある1950年代の冷戦期に始まったとされる。
かつては好きな場所を選べたが、2001年の同時多発テロ以降、政府専用機や非公開の場所で待つことになった。上院の記録で具体的な人選が公表されているのは1984年からで、住宅都市開発長官が指名されている。2021年のバイデン大統領による最初の上下両院合同会議での演説は、新型コロナの影響で多くの閣僚が同席せず、指定生存者は指名されなかった。同時多発テロを受け、議会の上下両院でも、共和、民主両党から1人ずつ指定生存者計4人を指名している。
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