Fumie

またの名をグレイス シーズン1のFumieのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

実話を元にしたマーガレット・アトウッド原作の映像化。
最初からぐんぐん引き込まれてほぼ一気見した。
観終わって最初の印象は「で??結局のところは?」って思ったけど、しばらく考えるとこれはそんな野暮なこと求めてはいけないのではと思い始めた。

あまりに壮絶な人生を過ごし初めての親友メアリーは堕胎術後に亡くなり、そのときに「わたしを入れて」という言葉があり魂が出ていけなかったとかメアリーが乗り移ったようになったり。
この件があったので後半ジェレマイアによる催眠術でメアリーの人格出てきたとき、あ、これはやはり二重人格による殺人ですか?って思ったのも束の間、結局最後までそれも真実は語られず。
ジョーダン医師も最後は神経衰弱してしまうし。

結局これは事件の真実を知るということは主軸ではなく、この女性差別男尊女卑の時代に生きた女性の苦しみやそこに存在する男性の愚かさを描いているのだと思った。
1番しっかりしてそうなジョーダン医師も結局グレイスに惹かれて変な妄想ばかりしてるし宿の主人を最終的には性の捌け口みたいに扱うし、かわいい少年時代に出会い最後結婚したジェイミーもグレイスに収監時に受けた酷い仕打ちを話させてそれを興味深く聞きその後許しを求める、自分のことしか考えていない、グレイスの気持ちよりも自分の罪悪感を埋めることばかり、ジェレマイアはいい奴っぽいけど多分あの催眠術はグレイスと共謀してただろうし、マクダーモットは女に指図されたくないだのそもそも女性蔑視丸出しのろくなやつじゃなかったし、主人はメイドに手出すし、出てくる男たちが揃いも揃ってダメすぎる。

表面的にはみんな良いやつなんだけど、それは本当に表面だけで見えない部分の闇がグレイスには見えている、虐げられてきた女性だから見えてしまう、滑稽な部分が。

最後のグレイスが作っていたキルト、収監時の寝衣や死んだナンシーのドレス生地とかを縫いこんで人生を全て詰め込んだキルトとか言ってるのはまあまあサイコだった。
Fumie

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