登場する人間は白か黒か黒が改心して白になるかの分かりやすいパターンしかなく、得られるのは一時のカタルシスだけ。そういう意味でやっぱりこれはサラリーマン世代の為の「水戸黄門」だと思う。
ただ演出や撮影や演技の(日本のテレビドラマとしての)クオリティは高い。照れ一切無しで全力でベタをやり切る事はできている。
イモトアヤコのキャスティングはお見事です。思わぬ所からこういう地味めの役者を発掘した事には価値がある。
隅々の役者まで芝居のトーンが完全に整っている事に「相棒」との演出力の差が出ている。
中小企業が大企業を倒すというような簡単な対立構造ではなく、顧客と社会の為に企業間の争いを無くそうとする構造だったのも好感を持てた。
志は高くはないが物作りへの誠実さはあって、そこはこのドラマの人気の理由として納得できた。