洋品店に関わる男性たちのビルドゥングス・ロマンだが、彼らを一途に思い続ける女性たちの物語でもある。
洋品店の社長であるアボジがヨンシルにかける「ドンジンとのことはともかく、自分の本分(夢、目標？)を忘れるな」という言葉が、働くオンナとしては心に沁みた。この一言で、アボジのキャラに深みが増したように思う。
ドンジンとヨンシルを追い込むヒール・キャラもとても魅力的だった。ヨンシルを追いかけるギピョもドンジンの元妻も、冷酷なのに時々子どもが駄々をこねるような感情の爆発を見せて、なんとなく憎めない。
思いを貫くことができなった若き日の父の後悔を、息子が代わりに超えて行く話でもあり、なるほど、そういう意味でも確かにホームドラマだ。
アパレル業界が舞台だから当然かもしれないが、背景の色(イチョウの黄色、レンガの茶色など)に、衣装のトーンがきっちり合わせてあって、韓流エンタメの本気度を観たような気がした。
