この作品内の"食事"と"人間"の描き方がとても印象的だった。
食事をしているときは人間関係のあれこれを考えず、ただただ幸せを享受できる時間になるとともに、ふと人間を深く考え直せるきっかけにもなりうるのだなと。
そうやって毎日必ずある食事が知らず知らずのうちに自分を助けてくれていたことがあるかもしれないと感じられた。
同性愛者も一つのテーマになっていたが、「同性愛者とは〇〇である」という主題が提示されていないところも良かったと思う。
作品内にもさまざまな同性愛者のカップルが登場したがその一組一組が異なる付き合い方と考え方を持っていた。
異性愛者の中でも人それぞれなのだから同性愛者の中でも人それぞれだということが改めて確認できる作品だった。
ドラマとして、理不尽で大袈裟なハプニングは起きないのだけれど、その中で起こる小さな心の動きを追いかけるのが楽しい作品だった。