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マーベル インヒューマンズ シーズン1のmichikoのレビュー・感想・評価

1.5
マーベル・コミックを原作とし、米ABCで2017年に放送されたテレビドラマ。
MCUのスピンオフ作品であり世界観を共有していると言われるが、映画群とは殆ど繋がりはなく、ドラマ『エージェント・オブ・シールド(AoS)』との関連性が高い様。ただし『ドクター・ストレンジMoM』ではインヒューマンズが登場した為、少なくともMCU世界のマルチバース内には彼らが存在する事になる。コレらはX-MENも同様の事が言えるのだが、もしかすると映画群と『AoS』の間に存在する不自然さは、マルチバースという手によって解決されるかもしれない…。

昨今のマーベルスタジオ制作のドラマはどれもクオリティが非常に高く、アクションもシナリオも映画と見劣りがしないし、毎回ラストのクリフハンガーはドラマ独自の中毒性を生んでいた。それと比べ、本作は非常に評判が悪いのだがその理由もうなづける。

ヒーローモノであるにも関わらずスーパーパワーでのバトルが少なく、またパワーを活用した起死回生の様なアイデアも少ない。そもそもパワーをあまり使わない。予算の都合か。
スーパーパワーに目覚めなかった人への差別や厳しい階級制度に対してのクーデターがメインエピソードだが、どうしてその様な厳しい規律や文化になってしまったかという王族であるヒーロー側の罪が全く描かれていない為、ヴィラン側が正しい様にも感じてしまう。
そして月に隠れ住んでいた彼らはクーデターによって地球のハワイに散り散りに逃げるのだが、ここで発生するのが各キャラクターと地球人との交流によるサブエピソード。コレによって王族である彼らがハワイの人々や土地と触れ合い、成長していく様を見せたいのだろうが、いかんせん尺伸ばしに感じるし、王族の危機に地球人とチュッチュしている場合では無い。それになぜハワイなのか。地球に降り立ったインヒューマンズと地球文化のギャップをやりたいのであれば独特な土地であるハワイは本当に適しているのか。アメリカにて月と真逆で緑と自然が豊かな土地となるとハワイなんだろうか。

ヒーロー達の魅力としては、声を発するだけで街一つ吹き飛ばすというブラックボルトや、四元素を操るクリスタルなどマーベル界においてもチート級の能力が多いにも関わらず、それらが全く活かせていない。それらは視聴者の思いとキャラクターの行動に差異を生む事になり、説得力が無いシナリオは魅力的で無くなる。

色々残念な点が多く、シーズン1で打ち切りなのも頷けるのだが、それでも各キャラクターには親しみが湧きつつあり、今後何かしらの展開があるのか楽しみではある。
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