ドラマ『TRUE DETECTIVE』
いやあこれ傑作だ。
8話のドラマじゃなくて
8時間の映画だと思っていいなこれ。
マシュー・マコノヒー&ウッディ・ハレルソンの刑事バディもの。
ルイジアナ州で異様な女性の死体が発見され、州警察の二人が捜査に乗り出すという話。
ルイジアナ沿岸部の広大な湿地帯という場が、独特の怪しさを漂わせていて、横溝正史作品の岡山とか、岩井志麻子の岡山とか、土地の負の空気が充満しているような舞台の描き方なんですよ。
ルイジアナは北中米カリブとフランス植民地系の移民とアフリカ系、そして白人と歴史的に文化も宗教も混ざり合って、クレオールやケイジャンとか、家系も複雑になっていて、そういった土地特有の歴史もドラマに入れ込まれたりしていて、こうした怪しい風土が物語をぐいぐい見せてくる。
「人目の届かない場所で頭のおかしい人間が悪さしている」という都市伝説的なアメリカの田舎の薄ら怖さは『悪魔のいけにえ』('74)とか、ジョン・ブアマンの『脱出』('72)、オリバー・ストーンの『Uターン』('97)とかに通じていて、
日本で例えれば、関東平野の国道から外れた稲作地域に点在する雑木林に入ると、産廃や廃車が積まれた場所とか、社会と隔絶してそうな旧家とかを見かけるけど、そういう境界感覚。
このドラマは素晴らしかった。