おれんじ

記憶 ~愛する人へ~のおれんじのレビュー・感想・評価

記憶 ~愛する人へ~(2016年製作のドラマ)
4.5
敏腕弁護士が若年性アルツハイマーと診断され、改めて自分、家族、仕事と向き合い、さらには未解決の15年前の息子のひき逃げ事件の真相究明に乗り出します…。

記憶が混濁しながらも、これまでの人生を振り返り、修復していく姿は必見です。
周りの人たちが皆、心根が優しく、献身的にというよりは自然にフォローする姿がとても良かったです。

イソンミンの気迫に満ちた演技、妻役キムジスさんの包み込むような佇まいや眼差し、息子役ナムダルムくんの健気さ、ジュノ演じるチョン弁護士の屈託のない明るさ、ボン秘書の聡明さがそれぞれ際立っていて、夫婦の絆、親子の絆、部下との絆がより強く感じられます。
とにかくジュノが若かった!気さくな青年のカンジが出てて良い!

ひき逃げ事件の犯人(割と早めに分かります)の背景、それに絡めた別の事件との繋がりもよく考えられていて見応えがありました。

働き盛りの年代での病気は酷でかわいそうですが、病気によって気がついた幸せを大事に失わないよう今を生きる主人公に何度も泣かされました。
奥さんも素晴らしくて…私は夫が同じ病気になったとしたらあんな優しく強くいられるだろうか…。
全話通して散々泣いたのに、最後のシーンでまた号泣。なんなんだ〜このドラマ。

アルツハイマーという重いイメージが先行しがちですが、悲しくて辛いだけではなく、人の優しさ温かさに触れられ幸福感も得られる素晴らしい作品でした。
おれんじ

おれんじ