タイセイ

火花のタイセイのレビュー・感想・評価

火花(2016年製作のドラマ)
5.0
芸歴2年目の若手芸人・スパークスの徳永は、自由に生きる先輩芸人・あほんだらの神谷に憧れを抱き、弟子入りを志願する。

芸人人生を描いたヒューマンドラマとしてあまりにも完璧すぎる。
映画版は端折られすぎて微妙だったが、本作は丁寧に作られており面白い。
林遣都素晴らしい。映画版の菅田将暉は華が隠し切れておらず、徳永のキャラにハマっていないように感じたが、林遣都は華を隠し、生きるのが下手くそな感じが上手くハマってる。
物語上で、ちょっと嬉しいこととちょっと嫌なことが所々に散りばめられているのがリアル。
少しずつ大人になっていく徳永と壊れていく神谷。徳永を変えたのは神谷だが、神谷を変えたのも徳永なのだろう。
近年はお笑いのレベルが高くなりすぎて分かりやすい笑いよりも独特な笑いの方が評価されている傾向にあり、今の時代ならあほんだらは人気者になれたのだろうか。
映画版や『笑いのカイブツ』に比べ、本当の芸人の出し方も上手く、お笑いファンが存分に楽しめる作りになっている。
今田耕司が出てきた時は驚いた。
徳永と神谷には成せなかった我流を貫いてM-1を優勝したマヂカルラブリーや現実と似たような売れ方をしているラフレクラン(現コットン)が出ているのが面白い。
芸人になりたくねぇと思う反面、藻掻きながら生きている2人の生き様に惚れてしまう傑作ドラマ。
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