ドバルデューが大切な話を聴く/溜めて発話する際に回しっぱなしでドラマながら俳優を大切にしていることがわかる。切り返しに若干違和感があったが、俳優演出の範疇ではあるのでまぁ、という感じ。
ロケーションのすごさが売りだけど撮影も相応でレール使いまくりトラックアウトしまくりでモンテ・クリスト伯の無茶苦茶な金持ちぶりがカメラ込でわかるのもよかった。(使用レンズとフィルムの限界のせいか画角に不満はある)
ただ原作ファンとしてはラストが...愛人の言葉に心動かされるってのは現代ではありなんだろうけど、復讐を重ねてきて最後は人情噺というのは解せぬ。原作通りに懺悔はしなくてもいいから、せめてヴィルホールを振り返ることくらいはして欲しかった。捨て子の一件もおざなりでちょっと残念。