はる

ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン1のはるのレビュー・感想・評価

5.0
このドラマがゴールデングローブ賞とエミー賞を総ナメした時には全然知らなかったもんですから、なんか地味そうじゃね?ってイメージでしたし、侍女って事でダウントンアビーみたいなのを想像してました。
で、いざ見始めるとまずディストピアSFという事に驚き、見終わってみるとこりゃあ賞獲るわと超納得してしまいましたよ。いやぁ凄いですよ。
舞台は環境汚染やなんやかんやで女性の不妊率が高くなった未来のアメリカで、まぁ子供が産まれない訳ですよ。で、アメリカはギレアド共和国と名前を変えてトンデモナイ政策を次々と展開していきます。まず、女性は財産をもつ事を禁止、口座も凍結させられます。そして職につく事も禁止。その女性の中から生殖能力がある者は侍女と呼ばれ、高官や将軍らの家に住まわされ子供を孕む為に体良くレイプされるというめちゃくちゃなようで、遠くない未来を見てるような恐ろしさのある世界なんですよ。
まずこの世界の特に気持ちの悪い点として、自らをとにかく正当化、神格化しようとしているところです。ただのレイプも儀式と名を付け、なんかそれっぽい形式ばった事をするんですよ。侍女達の扱いというのは高官達の不妊の妻の子宮の代わりなんですよね。一番ゾッとしたのは出産の儀式でした。見て貰えば分かると思うんですけど、私は気持ち悪すぎて嗚咽がしました。
主人公のジューンは夫と娘と離れ離れになってもなお屈する事なく闘い続ける女性で、何度も涙を流しながらも生き抜いていくんですよ。あまりにも風当たりの厳しい中で前を向く彼女を見ているとホントに泣いてしまうんです。
そんな侍女の中でも私は特にジャニーンを見ているともうツラくてツラくて。冒頭で、反抗的な態度をとった彼女は右目をえぐられ、子供を産むも当然産んだ直後に赤ん坊は取り上げられる。この人が映るシーンはあまりにも胸が痛すぎました。
シーズン2では司令官やリディアばばあ、そしてこのクソッタレな世界を作ったゴミどもに地獄が訪れる事を期待します。
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