半月星人

高校教師の半月星人のレビュー・感想・評価

高校教師(1993年製作のドラマ)
2.5
今みたいな精巧な偽ガラスが多分ないから、ガラスが本当に割れまくっていて普通に怪我しそう……ってずっと心配だった。広田レオナ最高。

最後に繭が現れるところの幻覚感と車窓からの景色、楽しい旅路。2人は多分あの電車に一緒には乗れていなくて、いつか故郷へ連れて行く約束を果たすのも羽村の妄想/理想で現実には叶ってない描写に見えた。でも繭の手が力無く落ちるシーンからすると、繭も違う場所で死んだんじゃないかな?って解釈。

生物学的に愛なんてものは意味がないって台詞の通り、結局のところそれぞれ1人で死ぬ。残されたのは、寂しさから救われたくて熱中して愛した過去。

ドゥルーズが言っていた、快楽の反復=自然的な反復で、人は廃れるっていう一節をとても深く理解できるラストシーン。

定期切れの無賃乗車、教師と生徒の恋愛、同性愛、レイプ、輪姦、浮気、中絶、暴力、近親相姦、複雑な関係が生む妬み/虚言、殺人、自殺……詰め込み過ぎ……(笑)。こんな世界で平然と生きてる方が狂気。
半月星人

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