Frapenta

ファルコン&ウィンター・ソルジャーのFrapentaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「スティーブロジャースは特別だった」と一言では言い切れない話。
今回の話を経て多角的な意味でシールドの重みがさらに増した。


まずはキャプテンアメリカもとい、スティーブロジャースの神格化について。

行動の注目度でいえば頂点に立つヒーロー。しかし、今回はヒーローよりも市民側をあえて描いていくことで、希望のシンボルとしてのキャプテン・アメリカがさらに強調されていたように思える。また、ジョンウォーカーのおかげでスティーブがより神格化していった。インフィニティサーガでスティーブがとり続けていた行動は彼にしかできなかったことで、まさに真のヒーローだったのが今作で確実になった。多分これを観てからフェーズ3までをまた1から観るとスティーブの良い意味での異常性が見えてきて面白いのかもしれない。(やはりパッと思いつくのは、仲間を守ろうとグレネードに向かって単身飛び込む行為。だが、ここで言いたいのは、何気ないさらにもっと細かい所作で見えてくるのではないだろうか、ということ。)


しかして彼を手放しで賞賛できなくなるのも本作。
キャプテンアメリカという光が、ある部分に影を落としてしまったのだ。
人種差別により迫害されて日の目を浴びなかった強化人間たちが明らかになったからだ。黒人に何の薬かわからないまま投与し戦場に行かせた組織がいたという事実が衝撃。この生々しい深掘りはドラマの良さが出ているというか、英雄万歳な映画とその眩い光でもたらされた闇を描くドラマの棲み分けができていていいなと思った。


ヒーローになるためには全てを背負う必要がある。そういった重すぎる責任は誰もが嫌がり、恐れる。
しかしサムは立ち向かう決意をした。
さらに重くなったシールドを掴み、新たなキャプテンアメリカが誕生した。人種をも超え、敵味方をも超えた新しいヒーローが生まれた瞬間はとても感動的だった。
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