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チェルノブイリのmimotoxmimotoのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
全てにおいて完璧なドラマだった。

第1〜3話まで、「これは未曾有の事故、こんなことは起こりえない、想像をはるかに超える事象」ということが鮮烈な映像とともに焼き付けられる。
が、4話から印象は一転する。チェルノブイリの原発事故に関するドラマを作る際(しかも全5話のミニシリーズ)に、何を描き何を描かないか、途方もない取捨選択があったと思うのだけど、4話では、核災害の深刻さからいうと意外とも思えるエピソードを選択している。しかし、そのエピソードで、人間の心が傷み壊れていく様を確実に描き出したことで、この事故は途端に身近なものになる。また、今まで映像として徹底的に「見せて」きたものを、4話では「見せない」という演出手法の変化もある。何を見せて、何を見せないかの選択も精確で、4話にもなると、圧倒的に見せない方が効果的に心にダメージがくるのだ。
そして5話では、未曾有の事故が、起こりえないことが、想像すらできない事態が起こったのは、嘘の代償だったという。たくさんの人が犠牲になったのは、権力構造が強要する秘密と嘘の代償だったという。

こんなドラマ、今まで観たことなかった。
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