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チェルノブイリのsnatchのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
🇺🇦痛みを少しでも知ることができればと、この作品を選びました。
2019年の米英による製作ドラマで言語は英語ですが、本当に真摯な作品になっていると思う。
…心に押し寄せてくる…普通に暮らしていた私達と変わらぬ人々が突然突き落とされ、さらにその悲しみに添うことも出来ずコンクリートで蓋される瞬間が…
全5話。

緑が繁りのんびり穏やかなチェルノブイリの空がキラキラと飛ぶ放射能の灰で埋め尽くされる…東北の震災や広島長崎の原爆も透けて見えてくる…
人が作った原子力発電所というものが、コントロールできなくなった時、人の手作業で修復するしかなかった死に向かっていく1秒1秒をつぶさに目撃し愕然とする。
生活音が消滅していく世界の中で、ジジジ、ジジジと線量計の音だけが耳にこびりつく。

劇的な作り方ではなく、時計の針が無情に進んでいくさまを目撃する。ある若い夫婦のある若者のあるお婆さんの…動物たちの自然の…ある街がの目線で作りあげている。黙す映像の力がまた押し寄せてくる。
苦悩の砂地獄から這い出せなくなった核物理学者
中央政府から派遣された強権的な閣僚が自分の目で見るこの現実
権力者に怯え正常な思考が出来なくなっているこの国家の中で、激動のロシアを生きてきた画家レーピンの絵に出てくる民衆のように覚悟を見据え成すすべき事に黙々と動く人々との対比に私はただただ慄く。

この苦しみをも経験してきたウクライナの人々に1日でも早く安らげる日常が戻ることを願います🇺🇦
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