今作はニュージェネシリーズの中で唯一、放送途中でリタイアしてしまった作品でした(その後、サブスクで全話を視聴)。
敵がえらく卑劣なのもあるけど、それ以上に設定面で失敗しちゃっているのが大きく響いているなと。
人間とウルトラマンとのバディ感を前面に押し出しているのに、そのウルトラマンが別のウルトラマンと3人組をやっているってのが絶望的に噛み合っていない。ヒロユキはタイガ以外の2人とも関わる機会が多いからバディ感が弱いし、そもそもトライスクワッドの面々が目立ちすぎているから影が薄い。にも拘わらずウルトラマン一同は殆ど人間/宇宙人側のストーリーに入り込めていない上、パワーアップもタイガだけという・・・。
それでも「宇宙人との共存」に関しては描写の深堀りが凄くて、偏見や差別などで狭苦しい思いをしているって感じで、身近で感じ取りやすいものを題材にしていることが多くて奥が深いなと思った。
トレギアが一番悪役として輝いていたのは15話かな。終盤で闇堕ちしたタイガを手駒に取って静かに嘲笑うところは、哀愁漂うピアノのBGMと相まって実に印象的だったりします。
辻本監督が登坂する単発回は結構面白かったりする。トドメでコミカルなエフェクトが見れる19話、勇者王っぽさ全開の必殺技シーケンスが拝める22話…ここは見ていて楽しかったな。
一人の変身者が複数のウルトラマンに変身するスタイルはやっぱり失敗だった…っていうのが本作最大の教訓でしょう。でもひとつの作品としては案外悪くはなかったりする。