Eike

REAPER/デビルバスター シーズン1のEikeのレビュー・感想・評価

3.3
2007年スタートのシリーズでしたが惜しまれながらも2シーズンで終了。ですがカルト的にファンを獲得した隠れたヒットシリーズと言えるかもしれません。

大学をドロップアウトしたサムは実家に戻って地元の大型ホームセンターでアルバイトの日々。
物語はそんな彼の21歳の誕生日に「悪魔」を名乗る人物が突如出現したことから始まります。
その悪魔曰く、パパとママが結婚前に悪魔と交わした「ある取引」によってサムの魂は21歳になると悪魔の物になることに。
半信半疑ながらこの「悪魔」の力を目の当たりにしてサムは地獄行きを覚悟するのですが、悪魔は彼に対してある命令を下します。
それは地獄からこの世に舞い戻った亡者たちをとっ捕まえて送り返す「バウンティハンター」になれというもの。
サムは悪魔の人使いの粗さに辟易しながらも親友のソックとベンの協力を得て、悪霊たちとの苦闘を繰り広げるのですが・・・。

はっきり言って「色もの」ドラマではあるのですがこれが意外に面白い。
登場人物の造形はしっかりしていますし、演技陣も実にツボを押さえています。 なによりもシナリオが良く出来ています。
キャラクターとドラマ部分が上出来なことが最大の魅力で、だから派手なアクションがなくたって全然かまわない。
基本はビックリするほど完全にコメディで、サムと悪友たちのグダグダとした会話が実にくだらなくて素晴らしい。

それでもやはりサムと悪魔の関係も中々の見どころであります。
極上のスーツを着こなしたイタリア系の素敵な中年紳士の姿をした悪魔(名前はなし)というのもおかしいのだが時折見せる凄味はやはり只者ではありません。
サムとこの悪魔は基本的には主人と奴隷の関係なのだが、時に友人同士にも、また師匠と弟子の関係にもそして場合によっては父と息子の関係にすら見えてくるあたりが面白い。
しかし相手は「悪魔」ですからサムをやたらと「堕落の道」へとそそのかす辺りは笑えます。
しかもその発言内容は時として我々凡人の本音や心の内を代弁している気配すらあって「親近感」が湧いたりしてしまいます。

意外な展開・活きのイイ台詞がてんこ盛りでこういう一見おふざけ的な物語をダシにしてちゃんとしたドラマを作る辺りはやはりアメリカの芸能界の底の厚さをかんじさせます。
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