mad

今際の国のアリス シーズン2のmadのレビュー・感想・評価

今際の国のアリス シーズン2(2022年製作のドラマ)
4.0
無難な着地だったかなと。
そりゃツッコミどころなんて山ほどあるけど、まぁそれはそれとして…

ビジュアルとしては日本のドラマの最高峰なんじゃないかなぁ。
見たかったものを見せてくれた美術部さんと、それを存分に生かしたアクションを魅せてくれたアクション部さん、余すところなく届けてくれた映像部さんに心から拍手と感謝を。

《ここからネタバレ含みます》









この手加減なしに作り込まれた世界だからこそ、♠️のキング戦のプレイヤー側のアクションに説得力がある(狭い路地裏がフィールドであるがゆえに動きが制限されてしまう、室外機を蹴り落として攻撃する、廃車のドアを盾にするetc.)。
♠️のクイーン戦でのパルクール的な縦の攻防が活きる足場セット、暗闇の中無機質な鉄骨のジャングルを動き回る赤と青のコントラストは、「奪い合う」ことを分かりやすく見せてくれる。
「どくぼう」「てんびん」における、息のつまるような心理戦の舞台としてはうってつけな、ダークな空間に漂う生々しい湿り気も素晴らしい。

…でもまぁ何より、『山Pの衣装』がある意味優勝であることに異論はない。
アレはズルい(笑)

音楽が多少大袈裟だったり演出が最高な部分が正直なかった点は否めないんだけどね(ドローン撮影を必要最小限に止めたことは視聴体力的には良かった)。

脇を固めた俳優陣も全身全霊芝居を楽しんでいるようで、観てて心地良かった。

中でも、アクション的には青柳さんと谷田さん、恒松さん、三吉さんの株が俺の中では相当上がった。(谷田さんのノールック背面射撃、青柳さんが谷田さんと組み合いながら薬莢を減らしていく描写なんかは、日本のドラマの映像表現としては初めて見たかも。土屋さんや朝比奈さん、山本さんが動けるのは知ってたけど、恒松さんと三吉さんには正直驚いた。トレーニングお疲れさまでした💯)
…この渋谷路地裏のシーン、セリフがほとんどなくて、あまりのキングの強者ぶりにプレイヤー側のダメージと悲壮感・絶望感が増していく演出は俺的クライマックスだなぁ👍️(仲間がやられて半狂乱に陥る顔面最強女優陣の美しさと武骨なオッサンのどつき合い、必死にシューシューする山崎さん笑)

非アクションなら磯村さんのシリアルキラー顔は癖になることも追加しておこう。

あとはそうだな、皆さん書いてる村上さんのキャラ美味しい件、この監督さんは仲さんの撮り方を知ってるなと感じたのと…

やっぱ山PのPの隠し方が上手いな(笑)カットがかかってからのオフショットが見てみたい(笑)

ラストカットも観た人それぞれの解釈でいいんじゃない?
人生ってげぇむは誰にとっても難易度JOKERなんだから。
mad

mad