織田

双葉荘の友人の織田のネタバレレビュー・内容・結末

双葉荘の友人(2016年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

隣人・沙季さん、そして倉田さんの出現により大筋の展開は読めたものの、進行が独特で面白かった。

例えば家賃の直渡し徴収。大家との初顔合わせ(入居面接)により大家への不信感が高まり、家賃の受け渡しで嫌味の一つでも言われるのかと思いきや、受け渡しシーンはクライマックスまで無し。
例えば正治の転職。ライターに向いてるかも…っていうところから妻の伝手を頼って売り込みをかけるわけですけど(編集長が眉を顰めるのも当たり前ですよね)、それも障壁の描写は最小限。主題は正治の成長物語ではなくて、あくまでも"双葉荘の友人"にフォーカスされていました。

画家と物書き、筆をとる両者が通わせる筆談。それによって縮まっていく距離。明かされる26年前の真相。スムーズにストーリーが進む一方で、美江と正治の家庭にはうまくいかない部分(こちらも淡々と悪化していく)もあって、夫婦生活という面でも見応えがあった。

前半部分での伏線も次々と回収され、飽きさせないスピード感が印象的。伏線で言うと双葉荘を選んだ理由の「陽当たり」ってところの部分がわからなかったけど、倉田さんと邂逅するのは自然光の差し込む昼間の時間帯が多かった気がするのでそういうところなのかな?

あと自分の気持ちに嘘のつけない正治がThis is 市原隼人って感じで良かった。自分も31の歳で転職したので彼が言う「生き方を変えるにはギリギリの年齢なのかな」とか「舞台が大好きで、しがみついてでもこの業界で働きたい若手がいる」とかの言葉には非常に共感。その意味では正治の転職過程をもっと見たかったなとも思いました☺️
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