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クライマーズ・ハイのバナバナのレビュー・感想・評価

クライマーズ・ハイ(2005年製作のドラマ)
4.2
映画版のレビューでドラマの方が面白いと書いている人がいたので、前から見たいと思っていたのをようやく見る事が出来ました。

私は先に映画の方を観ていたので、社内の中堅と幹部クラスの対立の原因「大久保」「連赤」が、理解しやすかったと思います。
映画版もテレビ版も、普段はジェネレーションギャップで対立しているのに、いざ良い原稿を上げる為には一致団結することが描かれており、
TV版では岸辺一徳の社会部長が、メンツを潰されて「土下座しろ!」と迫ったくせに、
後半では「死んでもそんな事するんじゃねぇ!」と言うところなど、
ラストで悠木をみんなでかばうところが熱かったです。

TVでは事故原因のネタを掴んでくるのは、まだ頼りない若造男性記者で、社内の女性はお茶汲みしかしてませんでしたが、映画でネタを掴んだのは勝気な女性記者に変わっていました。
80年代の地方紙なら、文化欄なら分かるけど、まだ前線に女性記者がいない方が現実だったのでしょうね。

映画の方は日航事故中心にストーリーが組まれていましたが、
TV版の方は原作通りなのか、悠木と息子との関係や、望月あや子との関わりも描かれていて深みがあり、
“確固とした確証があるまで記事を載せない”という重さも、
TV版の方が上でした。

しかし、テレビ版はビデオで撮られているので、壮大な山の風景が描写しきれず、
また事故原因の記事を乗せるかどうかで販売部と対立する場面もあっさりしており、
“安西”役が活舌の悪い赤井秀和よりだったのが、ちょっと残念でした。
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