トムヤムくん

ユーフォリア/EUPHORIA シーズン1のトムヤムくんのレビュー・感想・評価

4.5
ドラッグ、セックス、セクシュアリティ、ネットポルノ、精神障害、ボディ・シェイミング、妊娠、DV。世の中に蔓延る社会問題と今を生きるティーンたちのアイデンティティを複雑に絡めながら描く青春群像劇。

主人公はゼンデイヤ演じる薬物中毒者であり不安障害を抱える少女ルーだが、毎話毎話オープニングで周りの人物たちの過去を1人ずつ掘り下げていくので、最終回にはほとんどのキャラを好きになっていた。

個人的には性転換したトランスジェンダーのジュールズと、現実では冴えないけどネットではポルノの女王様として君臨するキャットが愛おしかった。ネイトのサイコパス具合もそれはそれで好きだった。

なんとなく6話のハロウィンパーティ回以降からめちゃくちゃ面白くなっていった感覚がある。それぞれのキャラクターの動かし方、絡め方が上手すぎると思った。「こういう人間はこう振る舞わないといけない」という考え方に自分も束縛されてきた方なので、アイデンティティのキャラクター化せず、むしろ否定するような描き方をしていたのも好感が持てた。

今、最も現代を映した作品なんじゃないかな。もしかしたら。