このレビューはネタバレを含みます
依存者の周囲の人間の具体的な問題として、自分では相手の依存の対象(今作の場合は薬物)の代わりにはなれないという無力感の問題がある。自分<依存対象。相手が自分の方を選ばないことに対する苛立ちと失望。自分が選んでもらえるだけの存在ではないことに対する不甲斐なさとやるせなさ。
アリがジアをケアしてくれただけで、僕の過去の一部が供養された。ありがとう。
これは作品の批評とは直接関係ないが、気づいたことを書く。
窮地に陥った時に手を差し伸べるだけでは不十分であること。なぜなら、本当に追い詰められた人間は助けを求めるという選択肢をとることすら難しいから。したがって、窮地に陥った時に自分に助けを求めてくれるよう平時から信頼関係を築く必要がある。本当に重要なのは、相手が追い詰められたときではなく、相手が元気なとき。そのときにこそ、積極的にアプローチしないといけない。