悪くないんだけどな～、なんだかスッキリしない老人群像劇。なかなかの強者揃い、老人の傍若無人ぶりはギリ理解するとしても共感は全くしない。逆を言えば、年老いてなお理性的に生き考えられる老人がいることには救われる。
本なのか演出なのか、エピソードにまつわる感情の出し入れが極端かつワンパターンで飽きるし疲れる。指南役のワンの不安定さがそれに拍車をかける、と言うか…もともとこの女優は苦手。さらにこの作家は泣きと笑いの間にある様々な感情を書けないのか…とブルースを思い出す。
ワンの恋愛も結構な時間を割いてるが、これまた母親の不倫に対する嫌悪や、その弟の障がいを無理やり絡めて極端。スロベニアまで思い付きで行ったり来たり、そういうことで劇的に書く手法自体が陳腐と思う。
なので、このドラマの見処は老人たちのお芝居のすごさに尽きる。ビックネームは勿論、観たことない人まで流石の一言。この年代でさえこの層の厚さ、やはり韓国はすごいと思わざるを得ない。
老人の嫌らしさも可愛さも惨めさも豊かさも圧倒的な迫力で見せてくる。それも捲し立てたり泣きわめいたりはしゃいだりという「動」のシーンよりはむしろ、なにもない「静」のシーンにその迫力を感じる。
この数の老人たちが揃ってメインを張る作品はなかなかないかもしれないが、脇に回っても今回のような芝居をまた見せて欲しいなと思う。
