takanoひねもすのたり

震える牛のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

震える牛(2013年製作のドラマ)
3.6
2年前の中野駅前居酒屋強盗殺人事件(未解決)を発端に食品偽装問題と警察内部の不正をあぶり出す社会派ミステリードラマ

『震える牛』のタイトルにあるように事件の背後にBSE問題が扱われていた
食品偽装を行う現場を見ていたら(……もう食べれないかも知れない…)と頭をよぎったくらいひどいハンバーグのレシピ(肉の配合)が出てきてドン引き
 
佐野史郎さんが三上博史の上司役で登場しているが(絶対に裏があるよな……)と思ってしまう罠w
会社・警察内部の腐敗と権力勾配、組織に所属する自分の立場をそれぞれが己に問い直すという心理描写が強い。
食品偽装問題を追う女性記者、内部告発をした元従業員、尊敬していた上司が犯罪に加担していたことを知り葛藤する社員、被害者と真実と警察組織にはさまれ苦悩する刑事。

社会の"組織"としての正しい在り方とは。

三上博史さんの"絶望"→"虚無"に打ちのめされた時の表情がさすが。
年齢不詳過ぎて最初(お母さん?妹さん?)と思っていたら妻と社会人の娘という設定で苦笑い、警視庁のエリート(警視庁捜査一課継続捜査班)というところは無理がない。
(定食屋でご飯を食べていても所作がきれい)

シャッター街の寂しい風景は覚えがあり過ぎて物悲しい気持ちになった。

食品偽装問題は気持ちをざわつかせるなあ。
なかなか骨太なドラマでした。