YUN

華麗なる遺産のYUNのレビュー・感想・評価

華麗なる遺産(2009年製作のドラマ)
4.3
ハンヒョジュさんを初めて観た作品。15年も前の作品で、ザ・韓ドラなわちゃわちゃ満載、人間の欲満載。懐かしいメイク。

シンデレラストーリーのラブコメでありながら、主人公ウンソン(ハンヒョジュさん)と食品会社御曹子ファン(イスンギさん)、食品会社社長の祖母、おバカな母妹たち、継母妹を対比させながら、金言を散りばめ人としての在り方を示してくれる。
甘やかされ金食い虫のファンが、ウンソンの善良さに触れて、思いやりや、謝ることを知っていく。

出張で灯台に行って想いをやっと確かめ合う2人、ワンピースで逃げるウンソンの少女性と、周りはどうでもいい俺が信じてると言ってくれるファン。若いっていいなあ〜

始めはまだ普通の継妹スンミがどんどん母親に似て、根回しや嘘をつく。哀れな結末。人は付き合う人で変わる。
特に25話からクライマックス、重ねた嘘が散っていく母娘の様は見ものです。追い詰められた女の捨て身の攻撃も….

この物語に欠かせないのがなんといってもペ・スビンさん演じる、車にもたれがちのジュンセオッパ。“自分を恥ながら生きるのは地獄だ”のところ、父親の破滅を助けてかっこ良すぎました。さりげなく見守っているうちに、どんどん遠ざかるウンソンを感じながら、それでも。
ジュンセは『トンイ』のチョンスオッパと同じくで、ヒロインを陰から支え自身は報われない役どころさせたらペ・スビンさんの右に出る人いないのでは。

ファンが、かっこいいではなくどんどん優しい人になって、愛しくなるドラマ。
そして恋愛よりも、親が我が子を思う気持ち、そのためならなんだってやってのける親という人間が迫ってくるドラマ。
子どもがいない自分には、ここまで捧げる存在があることへの羨ましさと怖さもありました。

切ないシーンに流れるOST「愛と罰」がまたぴったりで、盛り上げてくれます。


“お金は怖いもの。畏れ敬ってこそわが物になる”
“死ねないなら、つらくても振り切るんだ”
“惻隠の情”

“信じたくなる人…”


※視聴2回目
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