シガーandシュガー

必殺仕事人Vのシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

必殺仕事人V(1985年製作のドラマ)
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山本五十鈴が好きなのだけど、もはや最初に相談役みたいにちょっと出てくるだけで、あとは京本政樹と村上弘明という新しいキャスティングで作る新しい仕事人の雰囲気になっていく。
時代考証なぞどこ吹く風で、その時の流行を取り入れて笑いを取りつつ、見ているこちらも身につまされるような切羽詰まった空気は失われている。それも作られた時代が物質的に豊かだったからだろうなと思う。

京本政樹も村上弘明も、豊かさを感じさせるつるっとした美貌。
美しいことは美しいので(特に村上弘明)、眼福ではある。村上弘明の顔がまだ幼くて、とにかくスタイルがいいことにびっくりする。欧米人とは違う、墨色というか、引き締まったかっこ良さがある。
竜も、最初は人形的なぎこちなさがあったけれどだんだん仕置の所作もそれらしくなってきて美しいなと思えるようになってくる。竜の過去がシリーズ中で明かされるけれど、それが一番の衝撃だったかな。女に興味がないわけじゃなかったんだなー。

最終回、散り散りになる仲間の中で、加代が政を見上げる目が「政が生きていた安堵」だけじゃないように見えたのだけど、女としての安堵というのは穿ち過ぎかな。仲間としての視点だったかもしれない。でもあの見送り方は加代がとてもかわいく見えた。


※その後、「激闘編」「旋風編」「風雲竜虎編」を見た。
「激闘編」は柴俊夫が回を追うごとにいいキャラになっていて、この後に映画「表か裏か」を見たら泣ける。「旋風編」「風雲竜虎編」のかとうかずこも意外と悪くなかった。鮎川いずみのほうが好きだけど。三浦友和も、最初は似合わないヘアスタイルで首をかしげたけどキャラを上手く作っていき、乙女心がちょっとキュンとしてしまうような太郎さんが出来上がっていったところはすごい。