真鍋新一

スパイの妻の真鍋新一のレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作のドラマ)
3.8
ナチスを描いたサスペンス映画にはよくあるけども、日本の憲兵を題材に特化したスリラーはあまりないような気がする。洋画のそういう線を、日本を舞台にしてやってみたという試みで、最初から最後まで非常に見応えがあった。

途中で「まぁ清さんたら、映画オタクなんだから…」と言いたくなるような演出や、死んだ目で被写体を眺めているようなロングショットにはわかっていても喜ばされてしまう。

一応NHKがお金を出して8Kで撮影されたという作品ではあるけども、「どんなに画質が良くなろうと暗闇は写せないし、なにをしてるかわからないものを撮って、観ているほうがそれを気にするから面白いんじゃないか」という作り手の抵抗、というか主張みたいなものも感じられて、それも良かった。蒼井優のしゃべり方がもう昭和の女優のそれで、そういうネタをやっていたピン芸人がいたけど、蒼井優のほうが全然すごい。

東出くんはその感情のない感じが清ファミリーにかなりフィットしているみたい。
真鍋新一

真鍋新一