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逃げるは恥だが役に立つのkamioriのネタバレレビュー・内容・結末

逃げるは恥だが役に立つ(2016年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

#2
やっぱ笑いのセンスがさいこう
改めて見ると古田さんと藤井さん最高におもしろいな......
慌てたときの星野源の演技も好きです

中盤のゲイに対する浅はかな分析ちょっと引っ掛かったけど、あれは伏線で、平匡が眠ってから沼田がその認識をチクッとやり、それをじつは聞いていた平匡が反省する筋書きにはうなりました。
この正しさが作品のいちばんの魅力だと思う。
ほんとに大事なことが全部詰まってるドラマだ.......

そして最後は匂いを通じてそわそわするベタなラブコメに立ち返る、いやすごい密度の脚本だ、、、野木さん圧巻の仕事です

#3
平匡さんの劣等感わかるな
集団のなかにいるのにふとした瞬間に勝手に疎外感を覚えるやつ
一人でいることの何倍も辛くなるよな......人間めんどくさってなる......

からの浸透力半端ないはほんとに半端ない
浸透圧で死ぬやつ。浸透圧で死ぬの?
みくりはどこまで天然で言ってるのかわからないとこあるね

平匡の言葉の前提を敏感に察知するあたりはいかにもみくりらしいな。獣なれもこの辺の繊細さは共通な気がする。
あー獣なれもみたいな、放映してくんないかなあ

#4
相変わらず古田さん藤井さんのコンビが面白すぎる

平匡は相当みくりに救われてるよな
普通こんな男はこわいとかめんどくさいとか何考えてるかわからないになっちゃうと思うけど、みくりが分析的であるがゆえに見捨てられないでいるといっても過言ではない気がする
それなら風見さんのところに行きます、のifの場面か象徴的だった。ああなるケースのほうが普通多いだろうな、、

小賢しさフィールドはふふってなった
そして真野ちゃんfromスペイン
グローバルだ、そしてダンスのキレ

#5
この回劇的に平匡進歩してるよな
4話までかなりのクソっぷりを発揮してたのに
役割が人を作るじゃないけど、恋人という形式で性格も変わってきてるのかな
最後の罪悪感を誰が背負うのかの話は他者の視点を持たなければできない
4話までの平匡ならこういうことはいえなかったと思う
たぶんその進歩もあってみくりは一段も感動してるんだろうな
こういう細やかでわかりにくい人の進歩を描けるのが野木さんですよね、偉大、すばらしい

梅原くん、少女漫画読んでねーし!!で過剰反応するところもこの後の伏線になってるんだな、芸が細かいわ

石田家の犬めっちゃかわいいな、おっきい

ナギサさん7/7から開始になってけど、再放送途中でやめちゃうのかな....
なんとかなりませんか......

#7
「二回目もお待ちしております」の代わりの「末長く」は染みる
たかが数文字で満たされた気分になるんだから言葉はすごいな
でもその数文字もあーでもないこーでもないと考えて出てくるものだからな
人はみなコピーライターなんだな(しみじみ)

この回のガッキー強すぎ無理
とか思ってたんですけど最後全部ひっくり返されました
多部ちゃんに癒されすぎてあやうく成仏するところだった
最高のサプライズでしたナイスですTBS

#8
この回見る度に泣いてる気がする
日野さんのいい先輩っぷりにもうるっとくるし、みくりパパの平匡の大歓迎っぷりでもグッとくる(平匡の歳になってあんなに他者に歓迎されることがあるだろうか)

でもやっぱりラストの二人の電話がハイライト
開口一番みくりの「何の用ですか」で相当ピリピリする
ここで運命が分かれ道なんだなという緊張感がある
そのなかで平匡もみくりも慎重に言葉を選びながら少しずつ互いの気持ちを打ち明けていく(しかしここでも「因数分解」という言葉を使うみくりにニヤッとする)
平匡のカミングアウトは自分でかけた呪いをほどくような感じがする

そして結論は同じだということがわかって、心が軽くなって柄にもなく駆け出していく平匡さんでばっちりと泣きます

タッパーに貼られた付箋という小道具もよかったな
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』を思い出した!

まさか配信でもエンディングにサプライズがあるとは
乙葉さんの笑顔はすてきだな、藤井家は観てるだけで幸せそうでありがとうの気持ち

#9
ゆりさん主役回だな
ゆりさんの仕事ぶり、かっこよすぎて涙出る
部下二人もちゃんと育ってるし
彼女が人生で積み上げてきたものはちゃんと目に見える形で残っている
そのことは素直にうらやましいと思える

一方で自分が選ばなかった道が頭をよぎることはあって
その道を行かなかったことを周囲からねちねちと言われることある
そういう生きづらさに対する希望になるのだと開き直ってはみても、孤独や痛みから逃れられるわけではない

そのことをスッと見通して、
手を差し伸べられる風見はやっぱりいい男だよなあ

他方、平匡は手慣れてきててちょっと腹立つわー
かわいいなとかさらっと言ってんじゃねーぞ!そういうキャラちゃうやろ!笑
みくりさんも小賢しさがなりを潜めて終始ふわふわしてるし
この回がジェットコースターでいちばん高いところだったのかも

超細いけどゆりさんと風見を見つめるマスター、目線だけで「この二人なんかいい感じだな」を表現してて
古舘さんの演技はほんとに抜け目ないなと感心しきりでした

#10
「好きの搾取」至言だよな
北田暁大先生が自著で引用してましたからね
流行語大賞とってほしいし辞書に載せてほしい

風見の好感度は後半ひたすら上がってゆくな

#11
最終回、何度見ても爆泣きしてしまう
青空市の多幸感どうなってるのでしょう
あらゆる呪いがすべて解かれてしまう
さながら美女と野獣じゃん

なんだかんだでゆりちゃんが自分の気持ちに素直になってみようと思うのがいちばんうれしかった
歳をとるって呪縛なんなんでしょうね
勝手に大人のガイドラインを作って、それを忠実に守って生きていくような
誰かを傷つけないようにするつもりが、自分も含めて、むしろ逆だったりする

ナツキと沼田さんの邂逅もよかったな
風見を連れてきたのもヤマさんだけど、二人が出会った瞬間にいちばん喜んでるのもヤマさんなんだよな
映像としての登場シーンは短いけれど、ゆりちゃんと沼田さんのことを一番知ってるのは彼なのかもしれない
彼の役所のたいせつさ、2週してようやく気づけた

そしてみくりね
「小賢しい」ってずっとネタ的に自虐してたけれども、それはほんとのところ彼女にとって大きな負い目だったんだな
人間はみんなそれぞれの苦しみを抱えて生きているけれど、ふとそれを理解してもらえる瞬間が訪れることがあって
それがドミノ倒しみたいにバタバタと訪れる理不尽なまでのラッキーがこの回に通底する多幸感の正体なんだと思います

いいセリフや言葉もたくさんあった
たてなおそう、ひとつひとつ
が響きました
だめなときは一個ずつ丁寧にやっていくもんなんだな

また見たい、ほんとに人として大切なことが詰まってるドラマだと思う
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