おちゃか

独眼竜政宗のおちゃかのレビュー・感想・評価

独眼竜政宗(1987年製作のドラマ)
4.0
傑作!
と聴いて観始めだが、5話までの段階で特筆すべき感じはしないし、父輝宗北大路、義姫岩下志麻、和尚大滝秀治、鬼庭いかりや長介、侍女竹下景子、全員やたらと大声で喧しく、演出が大袈裟に過ぎること、そのため滑舌が悪く、セリフが所々トんでいること、どう考えてもご都合展開が濃すぎること、子役が雑すぎることで、いかんせん入り込めない。

5〜8話
ようやく、渡辺謙登場。
嫁は後藤久美子から桜田淳子。やはりビジュアルがいい。最上家との遺恨は続くものの、家督相続を経ていよいよ奥州討伐へ。少しだけ出ていた勝新太郎の存在感よ。やかましいだけの子役がいなくなったのは見やすくなった。

9〜12話
正直、大滝秀治の和尚が目障りに思う。とにかくいきなり大声で叫ぶわ、理不尽だわ、ファンタジーだわで滑舌も悪い。党首として政宗の葛藤と苛立ちが描かれていて緊張感が高まる。秀吉がどんどん支配を強めていく対比も見せ方として面白い。特に12話の畑山二本松裁可は大きな見どころ。

13〜15話
世代交代編
二本松なかなか落とせず。ここでも家康が津川雅彦。勝秀吉と対峙すれど一歩も譲らぬ存在感。この2人の共演も最高だ。輝宗が亡くなってからも、さらに対立する義姫岩下と政宗渡辺。後継問題の愛姫桜田。ずっと騒がしい家中。

16〜18話
母志麻義姫との対立が表面化。輝宗亡き後最上家血族の義姫の声が大きくなるのは仕方がない。南の蘆名との衝突もそのままに血気で走る政宗はどうするか。

19〜21話
最上との和睦を経て、あっさりと摺上原で蘆名打倒、会津平定。勢い独眼竜と成り一気に相馬佐竹と槍を交え会津平定へ。破竹の勢いに、ついに秀吉が北条攻めのため関東へ来ると聞く。

22話
母義姫乱心と、その成敗へ。
ちょっとここはワケがわからない。なぜ政宗に毒を盛ったのか。これまでの流れからなぜいきなり狂ったのか。それからなぜか母親ではなく、弟小次郎を切り捨てる。無茶苦茶である。なにせよ、母親との確執、ここに決着し、義姫は最上義光の元へ返される。

23〜24話
関東小田原へ。
秀吉と対決か、随順か。伊達政宗の有名エピソード。死装束での参陣は、前田利家、徳川家康が助言したことになっている。「もう少し遅ければ、この首落ちておったな」勝新太郎の素晴らしさはもちろん、渡辺謙の「恭順すれども屈服せず」という気持ちが伝わりとてもよい。側室猫御前、正室愛姫ともに子供に恵まれず、弟を斬り、親を失った政宗はこの時期かなり孤独だった。義姫乱心も、伊達家を護るためとの伏線回収も。

25〜27
奥州仕置 VS蒲生氏郷
政宗一揆勢を裏で操るも露見、密書を獲られるというかなり軽率な行動より。成敗されても仕方ないところ、どうする。
黄金の十字架はキリストの模写か。

28〜32話
見どころを終え、物語もちょうど半分。
かといって正史ではあまり動きはないのだが、どう盛り上げていくのか
岩出山への国替え 朝鮮出兵継続 秀次切腹

33〜36
政宗流罪の話は初耳だった。
どうなることかとドキドキしたが、これを石田三成との対立として話は進む。石高も五大老に列ぶも指名されず。ついに永年の盟友成実(しげざね)と訣別。

37〜39話
太閤秀吉から家康の社会へ
徳川家康は津川雅彦。葵3代でも同じ役だっただけに、演技の比較ができて面白い。これができた俳優は、津川雅彦だけなんじゃないか?沢口靖子真田裕之登場。

40〜41
まさかの海外展開!終盤になり野望は南蛮、紅毛の地へ!宿命のライバル最上家の義明はついに落命。従事の喜多も亡くなり、されど母の義姫はいまだ健在!長い!
支倉使節団がローマニア向けて出発。

42〜44
徳川VS豊臣 大坂の陣最終戦

ドラマティックに、というドラマ作りのせいかはわからないが、とにかく逆風の連続した人生
産まれた時には戦国時代は終盤、母親と弟には反乱を起こされ、小田原攻めでは遅参し、翻意を疑われ、家康には奥州統治でいいように利用され、もらった松平忠輝は謀反の疑いをかけられ、ローマ使節も家康のいいように踊らされ失敗。それでも天寿を全うできたのは、たんに運が良かったのではないかと思うしかない。

45〜50話
片倉景綱、小十郎代替わり
ここにそれほど時間を割く価値があったのか...
息子秀宗の宇和島拝領、
幻のような忠輝と五郎ハ姫の悲恋舞台、さらには忠輝との刃上沙汰
結局色々あっても成実もいるし、歳をとっても政宗も声が大きくうるさい。反して最上家の凋落、さらにさらに、未だに存命の母義姫、保春院!ついに最期まで運命に絡んできたのだった。
どうも最期にどう終わろうか迷走したのでは...
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