キャプまる

太陽は動かない -THE ECLIPSE-のキャプまるのレビュー・感想・評価

太陽は動かない -THE ECLIPSE-(2020年製作のドラマ)
4.5
1週間1作品チャレンジ9作目。

映画につながるので既に映画を見た人はより楽しめるし、案外ドラマ見ずに映画見ても面白さはそんなに変わらないので映画のために必ず見る必要はないというバランスになっている。

個人的にはこのシリーズはドラマ向きだなと思った。やはりエージェントの掘り下げをしたいならドラマで尺を使ってやったほうがいいし、ドラマがあったなら映画であんなに鷹野の掘り下げをしなくてもいいんじゃないかとも思う。どうせならうまくドラマを活かして欲しかった。結局映画の鷹野の長尺の掘り下げもあんまり意味がないし、それで尺を使ったせいで肝心の本筋がわかりにくくなってる。その点このドラマでは回想をはさむときは一気に描かれるので物語が二転三転しても置いて行かれず、きっちりその楽しさを味わえるのがいい。

「ここにきたとき周りには誰がいた?」など鷹野が田岡に教えていたことが印象に残った。師弟関係やそこから次の世代(田岡)への継承などがうまく描けていたと思う。

ここからは見たときに覚えていた感想とネタバレ。

1話
尺があるからかAN通信の説明がわかりやすく自然。入り方が映画みたいでワクワクする。
これも尺があるからか鷹野たちの目的とミッション、事件の背景とかがわかりやすい。

2話
映画では鷹野の過去が描かれていたが、ドラマでは田岡の成長が描かれそうである。映画では活躍できなかった山下の仕事ぶりが見れて楽しい。中華料理店のシーンなど映画よりも産業スパイらしくターゲットに潜入してる様子や緊張感のあるシーンが多くて面白く見応えがある。そしてテンポがいい。

3話
映画で見た鷹野が昔虐待により餓死寸前という設定を知っているからか、風間の家でのご飯の食べっぷりにはこみ上げてくるものがあった。田岡と落合の邂逅で何が進むのか?楽しみである。やはりドラマならではの尺で説明などが自然でわかりやすくされているのがいい。中尊寺の動きや何を目的としていて何が謎なのかがはっきりと区別できるので謎がある楽しみを味わえる。映画だと何が謎で何が判明しているのかわかりづらく、観客が知ってるからこそ楽しめるシーンなど物語的な楽しみが薄かったのでこのドラマはいい。

4話
前半は桜井と鷹野の過去編。桜井から教えを受けるシーンなど面白い。桜井がこれまでのエピソードでコインロッカーの前に立っていたのはそこが自分が生まれた場所でまさに過去の桜井が言ったように、失敗したりこの生活に終わりが見えた時など緊張の糸が切れた瞬間に自分の内面に帰るということを表しているのか。桜井は失敗したから自分が生まれたコインロッカーの前に立っていたのか?鷹野に見つけて欲しかったから立っていたのか?今後生きてきそうな話だった。そして田岡は前回に引き続き落合を探るという名目でドライブして仲を深めてるのが笑える。田岡はこういうのが向いているんだなあ。

5話・6話
最終回。チーヨウのやられ方が笑う。あのビリビリ演技は笑ってしまう。あとなぜ鉄骨が刺さって笑ってたのか。
桜井の戻ってきた理由や結末、”最初の場所”の最後などが良かった。
最後がなんだかんだ産業スパイというか情報屋していてとても良かった。まさかあのキャラがあの展開になるとは思わなかった。
きっちり映画につなげてきて既に映画を見た人間としてはあの時田岡のセリフはそういう意味かとなったりして面白かった。
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