小林モンジャ

行列の女神~らーめん才遊記~の小林モンジャのレビュー・感想・評価

3.6
原作シリーズを全部見てるファンです。

良かった点
・河上は「芹沢を昔から知る頼れる片腕」夏川は「原作より角が取れたハキハキとした先輩」というキャラに変貌したが、ドラマ版の方がむしろ好きなキャラでした。

・ゆとりも原作はその奔放ぶりにイライラする場面も多々あったが、今作は常識は欠けているけどもラーメンが好きな無邪気な新入社員というキャラにチェンジ。
主役は芹沢なだけにちょうどいいでしゃばり感だった。

・基本的に1話完結モノなので展開もサクサクと進むのでテンポがいい。

悪かった点
・石塚英彦演じる有栖が完全にただのラーオタだった。
評論家らしさの欠片も感じられない。なんでお前いるの?というような場面でも平気でいるので邪魔にしか感じなかった。
あと"仏顔"もやらないので合間合間にラーメンの知識を語るオタクにしか見えない。
原作好きとはいえ、キャラが変わることは別に構わないけど、これは改悪にもほどがあると思った。

・今作は芹沢さんを鈴木京香さんが演じる女性キャラになっている。
原作のような皮肉たっぷりなハゲではなく、すこ〜しだけキツイことも言いながらも基本は慈愛あふれる女社長になった事で原作ファンからするとやっぱり物足りなさを覚えてしまう。

1,2話の頃はハゲが言ってたようなセリフを言うので、「体は女でも心はハゲなんだな」と安心していたのだが、段々と優しい場面が目立った印象。
ライバル社の難波にあんなに優しく語りかけるだなんてやっぱりあなたはハゲじゃない!

実質主人公は芹沢なだけに、薄口ラーメンのエピソードも短く収めすぎだと思う。

もっともっとあの当時の客に対しての怒りだったり、受け入れられたあとのやるせなさを見せないと軽く見える。

それがないから今作の芹沢さんはやっぱり成功を収めた女社長の枠を超えずにハゲに負けてしまった。

・加えて最終話の安本と芹沢が元カップルだったって設定は絶対にいらない。その要素は完成されたラーメンに鶏油をかけるよりいらない事してる。

・やたらと7話が雑な作りに見えた。まず中原が女はラーメン屋に関わるな!という痛い人にしてしまうと話が濁るのでは。そのわりにすぐ認めるしなんだったんだその設定。

総評
たった8回のドラマなので、少し興味がある方なら見てみていいのでは。
また別の機会にでもやってくれたら嬉しい。