シンシアが歌い出すのを待ちわびて
OUTSIDERと言えば思い出すのはキングに遅れをとって壮絶なライバル心を見せたクーンツの渾身のキャラクター。その哀れさに比べればこちらのアウトサイダーはIt感に溢れマンネリの域を出ない。
とはいえ風呂敷の広げ方はさすがの手腕だし、ミステリーっぽいアプローチも、視覚的なぼかしも面白く、見応えがある。あくまでネタを割らないやり方もキング作品にはマッチしていると思う。
惹かれたのははやはりお母さんとおばさん。捨てれば怖くなくなるとわかっていても捨てられない。
シンシア･エリヴォのホリーはこの作品のみのキャラクターだと思うのでキングらしからぬ感じで〇。違いを確かめるために久々にキングを読んでみるかなと思った。
