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監獄のお姫さまのmのレビュー・感想・評価

監獄のお姫さま(2017年製作のドラマ)
4.8
1話。
クドカン脚本・豪華キャストによるシスターフッド・クライムドラマ。地上波でこのキャストでシスターフッド物をやるクドカン×磯山Pの心意気と地位の活かし方が素晴らしい。『おばさん』を主役に据えているのも良い。

「木更津キャッツアイ」の表・裏的な見せ方を開始10分程でやってから物語をぶん回していくクドカン節は好調、演出が若干滑っている感はあるが。

小泉今日子に菅野美穂、坂井真紀、森下愛子というメンバーの強さ。シスターフッド的エモーショナルな部分の演技の力強さが良い。
儲け役を流石の貫禄で演じる満島ひかりはこれくらいの熱量抑えた感じが一番良い気がする。
『役割』を心得た伊勢谷友介も良い。
あと子供の頃乙葉ファンだったので、今でも乙葉が元気そうなのを見るだけで何だか嬉しいです。乙葉は幸せでいてくれ・・!

『上手・下手』ギャグはそもそもこれ業界の人間以外は全く訳分からないのでは?と思ったけど、最近の視聴者は内輪ギャグに慣れきって上手・下手くらいの業界用語なら普通に分かるのか?


2話。
ここからが本番、という感じで面白さが一気に増す。クドカンが日本社会の中で生きる女性・女性を取り巻く価値観や男性達をどう見ているのかが明確に現れてきて冴えに冴える。これは価値がある。ピンボケの向こうに転がってる割れたコップ。

冒頭の電車内シーンの芝居の繊細さが素晴らしい。
演出が若干滑ってる感は引き続き。押切もえへの悪意(笑)

女子刑務所の生活のディテールが良い。『シャブ中』のイントネーションはピカチュウと同じという無駄知識!!(笑笑)

満島ひかりはマジでこれくらいの抑え具合が一番良い。伊勢谷友介も作り手も男性をどう扱うべきかを完璧に心得ている。

森下愛子の料理もらってた事のオチは最高。ありがちな『泉ピン子のドラマ』的女の陰湿さ展開になりそうでならないのが素晴らしい。
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