Tatsu

呪怨:呪いの家のTatsuのレビュー・感想・評価

呪怨:呪いの家(2020年製作のドラマ)
4.2
さっき見たばかりで評価定まっていないけどとりあえず。今んとこ感じてる不満は短すぎることくらい。この濃密な物語を描くのに3時間は足りない。
三宅唱はショットが捉えられすぎていて、彼の演出を見ているだけで全てがガッチリハマる。序盤のテレビ局でのモニター使い、全編にわたる鏡の使い方。どの画角で人を写せば映画的(これはドラマシリーズだが)になるかを心得ている。ディスコのシーン(三宅唱のクラブシーンの自然さは最早手堅いほど)をはじめとするここぞというときに、前に出過ぎず、抑制の効いた音楽の使い方。この辺も同じネットフリックスシリーズ『全裸監督』とは比べ物にならない演出、ディテールの上品さだと思う。
高橋洋の脚本も流石というか、ここのレファレンスについてはまだ掴み切れていないところがあり。少なくとも昭和から平成に移り変わる時代を、陰惨な暴力と呪いの時代と捉えて、それを俯瞰するようにフィクションとノンフィクションを横断する。そして俯瞰していた側(荒川良々演じる主人公)もいつの間にか自らの忌まわしい記憶により巻き込まれていく、ここのストーリーテリングの周到さと邪悪さ、現代から見た時代の捉え方は本当に興味深く、ハイクオリティ。性的な営みの生々しく生理的な事実を受け止め、そこを男性性に戒められてた女性性と暴力というところに繋げていくのも本当に邪悪。すぐもう一回見るが、とりあえず傑作。
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