ATSUSHI

呪怨:呪いの家のATSUSHIのレビュー・感想・評価

呪怨:呪いの家(2020年製作のドラマ)
4.2
呪怨の本質ここにあり。

まずご注意頂きたいのは伽倻子、俊雄親子は登場しない事。とある一軒家の“パンドラの箱”的解釈は大前提。
佇む女性の亡霊、監禁されて孕まさせた一説もあるが、それ以外情報が与えられないのが不気味。
ただ本作の1番恐ろしいのは呪いに触れてしまったばかりに狂気に駆られてゆく人間たちの模様。本筋は実在の殺人事件をベースにしてるだけに厭らしく、レイプ、児童虐待、誘拐や妊婦への被害は今もなお続くばかりにとても見辛い。2組の夫婦の話はもう酷い。
また背景には年代を追うごとに『コンクリート事件』『地下鉄サリン』『阪神大震災』等の日本の<闇>が劇中を展開する。呪いがいかに身近に存在するかを思い起こさせる作品なのだ。
あんまり妊婦エピソードが続いてイラッとしたのも本音。

ここまで挑戦的なのは、10周年記念作としてリリースされた『白い老女』『黒い少女』以来。ラストは続き期待していいんですよね?