みなと

アンナチュラルのみなとのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
4.9
当時、前クールのコウノドリに続いてまた医療ものなのね〜なんて
失礼なことを思いながら見始めてしまったんだけどそんなレベルの話じゃなかった。流れも厚みもすごい。
物語の設定が面白いんだけどそれだけじゃない。登場するキャラクター一人ひとりに、惹きつけるられる人物背景が作り込まれているのがよくわかる。

お気に入りは4話。そのエンディング。あの事故にあった日、無理してでも届けたしあわせの蜂蜜ケーキは誰かに大切に食べてもらえるのではなくぞんざいに扱われて、それがますます悲しみでしかなかった。
曲の歌詞と、シーンのリンクにゾゾゾだった。
主題歌の歌詞を意識しながらドラマを見るってあんまりしたことがなかったんだけど、曲が本当にこのドラマのためのもの、1話1話のためのものになってる。「夢ならばどれほどよかったでしょう」が涙を加速させるんだわ。

なんか全部ぜんぶ悲劇なんだけど、でも絶望してる暇はない。そんな暇あったらご飯食べて寝て、明日が意味のある日にできるように備えなさい、と喝をいれられた感覚。
希望のドラマ。
野木亜紀子さん。たまらない、たまらなさすぎる。
原作がある作品の脚本ももちろんすごいんだけど、野木さんがゼロから物語をつくるとこんなことになるのか。
今をめちゃくちゃ観察して物語をつくってるんだろうな。架空のラボが全く架空に見えないし、架空の事件が全く架空に見えない。
リアルな今の物語になってる。むしろ今を通り越して未来を語られているような感じ。

このチームで作品をつくり続けてほしい。