エニグマ

アンナチュラルのエニグマのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
4.6
ラストマイルに向けて。
MIU404はリアタイしてたがこっちは未見だった。めちゃくちゃ面白い。野木亜紀子作品の愛すべきキャラクター造形と言った感じで皆んな個性があって好き。
不条理な死と向き合う法医学ミステリー。各話UDIチームの面々が様々な事件・遺体と向き合い事件解決へと奮闘する。
解剖担当と言いつつ警察や探偵みたいな立ち回りをする。2話なんて犯人と物理的に対決していたが、リアリティラインは置いといて面白い。各話傑作といった出来で高水準なまま走りきった。
中でも井浦新演じる中堂系が最高。自身の過去とずっと戦い周りに強く当たりながらも、法医学者としての責任をちゃんと負っている感じが良かった。7話で犯人の子に投げかけた同じ「遺された者」としての言葉は染みた。
個人的に脚本が良かった回は8話の火事の話。それぞれ(亡くなった前科者やミコト、六郎や屋敷さんの奥さん)にそれぞれの帰る場所があるというキャラクター描写のリンクの仕方が流石だった。最後の六郎のここが自分の居場所なんだという泣き笑いが印象的。
そしてなんと言っても主題歌の良さ。毎回かかるタイミングも良いが、「夢ならばどれほど良かったでしょう」という歌詞がとても染みる。米津玄師の作品に対する解像度の高さというものがようやく分かった気がする。
最終話の犯人への自白のさせ方は裁判的にどうなのかとかミコト自身の法医学者としてのプライド的にはどうなのかとは思った。もっと淡々と喋って法医学の観点から追い詰めました!とやっても良かったような気がする。
まあでも全体的にはよく出来たミステリードラマだったので、映画「ラストマイル」の再登場に大いに期待!!
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