このレビューはネタバレを含みます
野木亜紀子がすごい。
他の野木亜紀子脚本作品は、ほんわかした物が多いので、ここまで鋭い内容だとは虚を衝かれた。
しかも、
人の生死を題材とした作品なので、当たり前に、作中で生死に意味を見出させてエンドロールを迎えるものだと思っていた。
それが無かった(と私は解釈した。)
ただ、死者の死の真相をしらなければ、正者は前に進めず、そこで時間が止まったままとなる。
中道系はその象徴。
逆に、三澄ミコトは幼かったゆえある意味バランスの取れたメンタルを持ち、佐野可奈子は一度は時間が止まったが子供達の生活のため無理やり前を向こうとして、町田三郎の父母は息子を勘当しており彼らの時間は止まっていないものと思われる。
神倉保夫の言葉に、野木亜紀子の死生観がうかがえる。
「故人はたまたま亡くなった。我々はたまたま生きている。」
人の生死に意味など無い。
残された生者が前に進むため(つまり、未来のため)死者の真相を解明する必要がある。
それが法医学なのか。