Koshi

ぼくは麻理のなかのKoshiのレビュー・感想・評価

ぼくは麻理のなか(2017年製作のドラマ)
3.6
「わたしは誰?」

 マンガで名場面を振り返ってくれるEDが1番のお気に入り。このドラマは、原作の再現度がかなり高いことがよくわかる。Siggy Jr.の「僕は雨のなか」もつい口ずさみたくなっちゃうような軽快なメロディで中毒性があったなあ。毎回この曲に合わせて流れるマンガを見るのを楽しみにしていたものだ。

 キャストの配役が絶妙であったなあ。小森功役に吉沢亮、麻理役に池田エライザ、依さん役に中村ゆりか、麻理の母親役に西田尚美と原作の再現度がめちゃくちゃ高いので、原作を読んだ人にもぜひ見てほしい作品だ(依さんは原作と比べて可愛すぎる気がするのだけど、それはひとまず置いておこう) 。

 吉沢亮があの小森功を演じていたとは。EDでキャストの名前を見るまではわからなかった。あんなにカッコいい俳優なのに、こんなにも気持ち悪い大学生を自然に演じられるのは凄すぎる。唇がカッサカサで割れていたり、汚らしいパーカーを着ている感じが、引きこもり大学生の等身大の姿のようであり生々しかった。そして、西田尚美演じる麻理の母親役の怖さは尋常じゃない。この2人の演技を見るだけでも一見の価値がある作品だ。

 よくある男女が入れ替わる物語だと思っていたら、どうもこの作品は一味違うことに途中で気づく。しかし、気づいたときにはもう遅い。「ぼく麻理」ワールドにどっぷりと浸かってしまっているのだ。自らの予想を遥かに超えた結末を迎えたことに驚いている間にも、そんなことなどどこ吹く風といったように物語はゆっくりと幕を閉じていく。30分×8話といった短いドラマであるにもかかわらず、見応えはたっぷりあるんじゃないかな。

 原作好きな人も池田エライザ目当ての人も、途中で挫折せずにぜひとも最初から最後まで駆け抜けて行ってほしいものだ。もちろん私は、池田エライザ目当てで見始めた。

❇︎最終話で小森の実家で、『漂流ネットカフェ』がそのまんま登場していたことに笑った。かなり良い宣伝になったんじゃないかな。
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