観た、というより何て言ったらいいんだろう...
一緒に感じたというか、生きたというか...二人が安心しているとき私も安心できたし、二人が傷ついたときは私も心が痛んだ。
そして自分の内なる部分をゆっくりと振り返ることができた。観終わって、二人と同じように私も成長した気がする。
そんな感じでジワジワと心に沁みてくる作品に出会えることはなかなかない。
内容については、2種類の孤独を丁寧に描いていたのがよかった。
一つ目は他人からの孤独、人に囲まれていたとしても心が誰とも繋がっていない感覚。
二つ目は自分からの孤独、自分でも扱いきれない自分がいて、自分で自分を傷つけているのはわかっているんだけど、もはや自分ではどうにもできない自分への苦しさ。
どちらの孤独も確かに身に覚えがあるもので、自分の中では目を背けたいひどい感情だ。それが真っ直ぐ、そして美しく表現されている。
そして、それでも支えとなる人が確かに一人はいること、その救いの心強さと切なさがずっと変わらないテーマであったことが微かな安定感となっている。
本当に綺麗なつくりの話だった。
