ズバリのコロナドラマ。今や世界中の誰もがコロナに詳しいわけですけど、本作を観ながら、うんうん、そうそう、そりゃそうなるよ、とか、あっという間に死んでしまうことのリアリティとか、みるみる広がる「イヌイットウィルス」という風評とか、そう言えば、ホストクラブが槍玉にあがってたなあとか、いちいち肯きながら視聴。
しかしそんな感染拡大への流れに絡まる登場人物たちの私的な物語が本筋がぶれるくらいパンチが効いてる。家庭崩壊の不倫とか、ゲイの大臣、代理母などそれだけでテーマになるような要素が同時進行してる。が、そうしたことに寛容なのがカナダ社会なのか、意識が高いのか、寂しいくらい公私が切り分けられいて、あくまで私的な事柄であり「問題」として言及されることはない。ただ唯一、大問題とされたのは非倫理的な「不公平・不平等」だった。そのことにいちばん感心したし驚いたかも。
