大盛り

剣客商売'73の大盛りのレビュー・感想・評価

剣客商売'73(1973年製作のドラマ)
5.0
剣客商売はこれが好き。
山倉たかしの音楽も好きで、ビブラフォンが印象的。

1話 父と子と/「良いおでこをしておるな」で、自分が誉められた気になる(笑)
「40年やると、何がなんだかわからなくなる」

3話 剣の誓い/「こんなにありがたい弟子はありません」って、確かに!(笑)
「よせやい弥七さん」「しかし大さん」この関係がいい。
おかよさんの「あたしの頭がおかしくなった訳じゃないのね」は、第四の壁を越えたのかと思った(笑)
嶋岡先生の事を言い出さない大治郎の言葉を聞いてる、小兵衛の横顔がすごい。
嶋岡と柿本の勝負の行方は、ある意味二人の望みの通りで、ある意味残念。でもこの結末で好き。
あ、でも現在の柿本のメイクが凄すぎて、織本順吉って分からなくなるの!それが惜しいー(笑)

どの回だったか、根深汁を作る大治郎が
手でネギをちぎっては入れちぎっては入れ、していたような(笑)

6話 まゆ墨の金ちゃん/「実はイカサマさ」と、聞かされた人の顔!(笑)
財津一郎の金ちゃんは、変なやつ感と人懐っこさ、男らしさのバランスが抜群にいい。すき!

9話 決斗、見付宿/おもんさんの「尽くせたんですよ」の心が分かりそうなときと、さっぱりなときがあって、人間がまだまだたな!って感じてる(笑)。そして、この瞬間に朝田先生の存在感消えた?!って思ったけど、最後満面の笑みで決めてくれましたよ(笑)

10話 嘘とまことの間/「馬鹿者!!」二回!(笑)
山形勲さすがの迫力!
大治郎の「足手まといです。縁の下にでも隠れててください」は、普通ならイヤミに聞こえるだろうけど、そうならないのがすごい。

11話 身代金千両/大治郎は旅に出たから小兵衛の回かと思いきや、ジジイきゃっきゃしてて活躍せず!「お、もう片付いたのか?」じゃないよ(笑)
対照的に「こりゃいかん」と大治郎は三冬を交わす!(笑)

12話 おかしな入門者/宗哲先生の意外な過去が!(笑)
小兵衛が「手違いがあって、儚くなってしまったがな」と言い放った時の弥七の「はあ?」って顔がいい。

13話 鬼熊酒屋/
大さんが傘を広げて騒ぎを止める。傘を使うのは見たことあるけど、シンプルな傘だから!紙の様子が分かる。
駒が眠っている。駒が笑う。
将棋のシーンが好き!
「生きている間の痛みと苦しみから逃れたい」それだよね。薬とか治療にはそれを求めます。
娘夫婦がけなげでかわいい。それにしても、ほぼ登場しない孫の存在感がでかい。泣かれちゃうんだね、鬼熊じーさん…!
障子のこちら側に居る大治郎の姿と、明るさ暗さ、熊五郎と小兵衛の声が聞こえるシーンもいい。
「飲みますよ。楽に、楽に死にてえからね」
島田正吾が最高!

14話三冬の女ごころ/
おはる「それはきっと、あれですだ!」小兵衞「てっきりそうだな!」
おはるの勘のよさが、なんだかんだ母上っぽい役回り(笑)

15話 信濃の老虎/悲しすぎる話。源太郎の豪気と慢心に愛嬌を感じるし、若さを考えても理解できる。怒りに燃える方の怒る気持ちも分かる。源太郎がやりすぎというなら、道場側もやりすぎってことなのかな。でも道場が卑劣過ぎて、悔しい。山本先生が心配。
でも、捕らえられた間抜けを橋本功が演じてるのと、おはるの小悪魔発言が、ちょっとご愛敬かな(笑)

16話 御老中暗殺/「その腰つきじゃあ人間は斬れまいよ」
ふと、司馬遼太郎の以蔵で、あの頃には刀を差していても人を斬ったことのある人は少ない様なことが書いてあったと思い、この「腰つき」からその時代へ流れて行くんだななんて考えた(笑)

17話 兎と熊/たちまわり。カメラの前を役者が入れ替わり立ち替わり…って程じゃないけど、大治郎と闘う敵達が横に移動して、弥七とその敵達がススっと入ってきたのが舞台みたいで面白かった。
最後の瞬間、お嬢さんが両手を広げてるポーズかわいい。

19話 忘れた顔/凄まじい因縁。接触したほんの一瞬を起点に、一人は死んだように生きて、一人は生き生き過ごす。なのに再会したら、死んだような浪人は日々の飲食に困らず小遣いまで得て、今生きていく糧を手に入れた状態になる。興味深いのはこの浪人で、最初は無用心で鮒屋の主人の人生を切り開く羽目になり、最終的に恩返しという意思を持って主人を助ける。心に動きなのか運命なのか分からないけど、不思議だ。

20話 男まさり/何となく、鬼平でもお馴染みの市松小僧。こういう方向の始末の仕方は、現在では色々出ているかなと思うけど、何度みても圧倒的。

22話 明日への旅立ち/平山一蔵の「まだまだ!」を聞くと、極めるための執念と自分の頑固による執念の違いが難しいなと思った。
「味もそっけもない人間にはなるなよ」
悩む大治郎のそのままを肯定と応援しているようで、あったかい言葉だと思った。山形勲が言ってるしね!
太吉に駒をみんなあげるというのは、人としても剣客としてももっと成長するという表現なのかなと思った。だから、大治郎が出発したのはまだ真っ暗な時刻だったけど、明るい気持ちで観終えた。本当にいい終わりかただな!
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