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ステートレス -彷徨の行方-のSSDのレビュー・感想・評価

ステートレス -彷徨の行方-(2020年製作のドラマ)
4.2
出だしの飛行場の客室乗務員の女性の軽い雰囲気、中東と思われる家族の暗さ、赤ん坊を囲む家族…

全く違う世界の人々がつながって、ここから始まる難民収容施設のある意味異常な世界。

ここに書きながら「収容施設」と「収容所」では印象がまるで違う。
ドラマでは「拘留所」?って言ってたか?
施設の職員によっては難民を下の人間とも言って、常に命令口調。
仕方ない部分もあるのだろうが、それを当たり前には思えない。

上の人間の体裁はどこの世界でも現場が掻き回され、真っ当に仕事をしようとしてもどんどん壊れていく職員。
まともでいられるはずもない難民、最初からぶっ壊れてる人ほどそのまんま。

日本にいると難民問題や紛争にはどうしても疎くなってしまうが、決して対岸の火事ではなく、いつ自分達にも降りかかってこないとは限らない。
とはいえ、難しすぎる。

あらゆる人の苦悩がわかりすぎて辛かった。
所長席の前任者が刻んだらしいHELPの文字。

難民問題だけでなく、カルトの不気味な怖さや洗脳、家族の関係などどれも丁寧に描かれていた。

自国の女性がたまたま収容されて見えた現場らしいが、心壊れかけてあの環境ってどこまで悲劇なんだろう。




ケイト・ブランシェットが出てきて、ちょっとびっくり。
やっぱり存在感すごい!


とても印象的だったジャーニーオブホープをちょっと思い出した。
これも実際にあったらしいから、現実の話って重くて心に残るのかも。
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